毎日新聞のメディア時評、事業仕分けをテーマに書きました
担当がまわってきた毎日新聞の12月21日付け「メディア時評」は、事業仕分けをテーマに書きました。見出しは「声なき声に耳を傾け」「現場の思いを伝えて」です。
新聞を読んだ何人かの研究者・科学者の方からメッセージを頂きました。ありがとうございます。メディア時評は毎日JPには掲載されないので、関心を持っていただいた方は図書館などで読んでいただけば。
取り上げたのは下記毎日の記事とブログやネットでの議論です。
- 縮減の波紋(上)「自己負担」選手に重く 「体育」と「文化」の差?
- 縮減の波紋(中)くじ収益頼みに懸念 民間資金も厳しく
- 縮減の波紋(下)強化策、政権と距離感 社会への還元、課題に
- 「学界も変わらなければ」インタビュー急接近、JT生命誌研究館・中村桂子館長
- 事業仕分けの波紋:どうする科学技術予算(上) 揺れる次世代スパコン開発
- 事業仕分けの波紋:どうする科学技術予算(下)若手や女性に打撃、埋没する人材育成
- 発信箱:頭としっぽ=元村有希子(科学環境部)
縮減の波紋は運動面での連載で、比較的注目度が低かったスポーツについての反響と政治とスポーツの関係について。仕分け人でもある中村館長のインタビューは、削る側、削られる側、両方の視点があり、構造的な問題に踏み込んでいると評価しています。
ネットでも話題となった科学関係の予算については、スパコンでの賛否について大きく取り上げたのが12月1日と遅かったことで、スパコン=科学予算削減の象徴というイメージ固定化を招いたことを指摘、「ネットを見ていると、新聞が速さと深さで遅れているという印象を抱く」と書きました。
最後の部分は、研究者や学会から「若手の声」もあがっていますが、何人かの研究者から話を聞いたところ「発言すると職がなくなるかも」との切実な意見を紹介して、若手が上げている声の奥や裏にある隠れた声をしっかり拾うのが新聞記者、科学ジャーナリストの仕事ではないかと激励を込めて厳し目にコメントしています。