ガ島通信

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「組織を信じていない」と言うと怒る人がいる不思議

週末はWOMJ準備会のガイドライン検討委員会の合宿の後、第3回あすなろBLOGカンファレンス「未来×チェンジ×ブログ」のセカンドセッション『コミュニティ×ブログ』で話してきました。内容は、id:hyoshiokさんのログを参照してください。
セッションの中で「組織を信じていない」と発言したのですが、そう言うと時々怒る人がいます。「信用できない組織は問題があるのでは」「組織に所属しているのだからそういうことは言わないほうがいい」などの反応は分からなくもないのですが、時々「じゃあ一人で仕事をしろ」などとあからさまに怒りをぶつける人がいます。
誰も「人(話している相手も含めて)を信じていない」などと言っていないのに不思議なことなのですが、その人が組織が一体化しているので人格否定された気になるのかもしれません。

マスメディアが輝きを放ち、一億層中流で、核家族、主婦という言葉が「当たり前」だった時代は、会社と言う単一の組織・コミュニティに家庭すら取り込まれていたので、会社人間でも問題はなかったかもしれません。ただ、バブルが崩壊し、終身雇用が怪しくなり、正社員でもリストラされるのを目の当たりにして、会社組織が幻想であることを理解したのではなかったのでしょうか(リストラをした人が最後にリストラされたなど)。組織は人を変えてしまうし、組織維持が目的化すると活力が失われていきます。
人より組織に重きを置いている人は、組織にあわせることを強要することもあるでしょう。人は誰かに決めてもらいたい、という気持ちもあり、先の見えない不安な時代だから、同質性を高めた組織を求める人もいるのかもしれませんが、それだけではやはりコミュニティは行き詰ってしまう。
異質なもの、マージナルなものをどう取り込んでいくかが活性化には欠かせないとすれば、理解は出来なくとも人の多様性を許容することも組織のためなのではないか、と思ったりします。
コミュニティ・オブ・プラクティス―ナレッジ社会の新たな知識形態の実践 (Harvard Business School Press)
ちなみに、カンファレンスで紹介した本は「コミュニティ・オブ・プラクティス―ナレッジ社会の新たな知識形態の実践」(ハーバード・ビジネス・セレクション)です。
問題を解決し、ビジネスチャンスを創出するためのナレッジマネジメントと企業内のコミュニティーの関係について論じたものですが、企業内だけでなくコミュニティの運営全般に非常に参考になる点が多くありますので、関心のある方は手にとってみて下さい。
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