ガ島通信

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北大の科学技術コミュニケーター養成ユニットでの講義が始まりました

北海道大学の科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)の「選科B演習(サイエンス・ライティング)」の講義がスタートしました。
金曜日の午後6時30分からなので、午後から年休を取得して北海道に飛びます。北大のキャンパスは緑がまぶしく、理学部・博物館前にはきれいなつつじが咲いていました。

受講生は約30人。講義は私だけでなく北海道新聞の田中記者とCoSTEPの教員2人が協力して進めています。
第1回のテーマは、ライティングの基本的な枠組みを理解するにあたって重要となる「多様な視点(複眼力)」と「相対化して物事を捉える思考力(俯瞰力)」に気付いてもらうこと。
その場で相互インタビューをしてキャッチコピーをつけるアクティビティと課題の自己紹介を利用してグループワークを行いました。
ライティングと言いながら、書かずに考えるところから始めたのは、事前の合宿で「実はライティングというのは書く前の考えるプロセスが重要なのではないか」という話が出たためです(このライティングプロセスの分解というのも大きな研究テーマになっています)。
キャッチフレーズ紹介は、その議論などから私が考え付いたもの。ルールは、2人1組になって相互にインタビューして「○○さん」とキャッチコピーを付けると言うものです(例えば、Q,好きな食べ物は何ですか? A,札幌ラーメンです。Q,大好きですか? A,ええ。キャッチコピー「札幌ラーメン大好きの○○さん」)。
これから7回の講義をするに当たって受講生同士のコミュニケーションを円滑にしておきたいと言う目的はもちろん、他者から質問されることで「自分の思わぬところに気付く」ということ、さらに多様な質問ができないと回答を引き出すことが出来ない、また逆に質問によって相手の回答が異なり誘導も出来てしまう(フレームの押し付け)を学んでもらうという目的もありました。

ただ、初めて通期の講義を受け持つこともあり、時間の配分などの講義の組み立てが詰め切れていない、アクティビティの意図を十分に説明できていない、など反省も多いスタートで、「もやもや」したまま終わった受講生も多かったかもしれません。
講義後には担当教員らによる「反省会」を開きました。合宿や反省会での議論だけでなく、受講生の皆さんからの反応も含めて、教えるというより学ぶことが多く、自分にとっても新たな発見の多いチャレンジになりそうです。

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