ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

オライリーがブログエチケット「Blogger's Code of Conduct」を提唱

Web2.0の提唱者ティム・オライリーが、ブログのエチケットを提唱しているというロイターの記事(Webの権威、ブログエチケットを提唱―ブロガーから反発も)がITメディアに紹介されていました。

オライリーが問題提起したのは、Wikipediaの創設者のジミー・ウェールズが解説したwikia.com上。Blogger's Code of Conductの項目を見ると、「一緒にコードを作ろう」とブロガーに呼びかけています(メーリングリストに参加することも出来る)。自分のオリジナルコードを提案することもできます。「集合知」によってブロガーの規範を作ってみようという試みなのでしょう。

現時点で7カ条になっているようです(いつものように苦手な英語を無理やり訳してみました。間違いがあればご指摘ください)。

1. We take responsibility for our own words and reserve the right to restrict comments on our blog that do not conform to basic civility standards
自分の言葉に責任を持ち、基本的な礼儀に従わないコメントは制限する権利を留保する

2. We won't say anything online that we wouldn't say in person
リアルで話さないことはオンラインでも話さない

3.If tensions escalate, we will connect privately before we respond publicly
もし緊張が拡大していれば、公にする前にプライベートでコンタクトする

4.When we believe someone is unfairly attacking another, we will take considered action
誰かが不公平な攻撃を受けているとき、熟慮した行動を行う

5.We do not allow pseudonymous comments, but will allow anonymous ones
匿名は認めるが、偽名は認めない(匿名=正体は分かるが名前を伏せていることで、日本の匿名とは異なるようだ)

6.We ignore the trolls
トロール(怪物?日本で言う「荒らし」のようなものか?)は無視する(要するにスルー力を持てということ)

7.We encourage blog hosts to enforce more vigorously their terms of service
ブログホスティング会社はより強力にサービスを行うことを奨励する(ブログホスティング企業が問題のあるブロガーにもっと対応すべきだ)

先に紹介した記事では、「単に子どもじみた言動に過ぎないくせに、言論の自由の名の下にそれを正当化する人が多い」「自分が訪れたブログを片っ端から、落書きするような感覚で汚した後で、自分の隠れ家にコソコソと戻って平然としている人がいる」というオライリー氏のコメントのほかに「Webを規制するのが難しいのは実証済み」「ブログの世界を礼儀正しい場所にしようという取り組みが大きな成果を達成することはないだろう」というアナリストのコメントも掲載されています。

オライリーが提唱する前に、日本にも「ブロガーズ・マナー」が存在しています。良心的なブログで知られる「あざらしサラダ」が自分用に作られているものです。非常に参考になるのでご紹介しておきます。

1、「人格攻撃」はタブー
2、コメントを書く場合は、名前に自分のブログアドレスをリンクする
3、コメントした人同士の遣り取りが思わぬ方向に行きそうな場合は、そのまま放置しないで管理者が捌く
4、丁寧語を使い、略語や隠語、感情丸出しの乱暴な言い方を避ける
5、飲み過ぎの状態でコメント等は書かない。(笑)

ロイターの記事にあるように、ブロゴスフィア全体を「行儀が良いもの」にはできないでしょうが、ブログエチケットやブロガーズ・マナーを守っているブロガーであることを示すことが出来ると、良い効果が生まれるのではないでしょうか。


◆参考エントリー