ガ島通信

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RTCカンファレンス「2.0終了の次」とネットの自由

RTCカンファレンス「2.0終了の次」に行ってきました。いつもは絶妙な司会を展開している保田さんの代役ということで、記念すべき20回目のRTCの司会兼お手伝いとして参加できたわけですが、3人の豪華ゲスト(チームラボの猪子寿之社長、したらば元社長古川健介さん、ビットレイティングス佐藤崇社長)と上原さんの掛け合いを間近で見つつ、色々突っ込みを入れることも出来て非常に楽しかったです(保田さんのトークを楽しみにされていた方もたくさんいらっしゃったと思います。力不足の代役で申し訳ありませんでした)。

3人の掛け合いのもようは、チミンモラスイ?さんの「『2.0終了の次』@RTCカンファレンス」にアップされている議事録をご覧頂くとして感想を。
まずは猪子さんすごすぎです。話を振られると、一瞬スクリーンを見つめて話し始めるそのタイミングといい、内容といい。期待を裏切らない面白さとその中にある鋭さがなんとも(褒めすぎ?)。真面目かつサービス精神あふれる佐藤さん、古川さんのマイペース具合もいい感じでした。

例のごとくテーマは大拡散だったわけですが、個人的に気になったのは「ネットの自由と規制」「PCネットの次(テレビ、モバイル)」。

「Wiiしかない!Wiiメールとか、Wiiニュースとか…」と猪子さんも大プッシュのwiiですが、ネットとテレビの関係については、Wiiの登場で最初の勝負があったかなと思っています。一人ゲームなイメージ(あくまでイメージ)PSシリーズに対して、ファミリーを打ち出したWiiは、大画面テレビの登場で個室からリビングへと回帰しつつあるテレビの潮流を見事に捕らえています。リモコンによるインターフェイスも新しいネットの可能性が垣間見えます(VAIOのブロガー向け説明会のときにもチラッと書きましたが、もしおひつVAIOを改良するならリモコンでしょう)。モバイルはもっと身近なネットの入り口として色々なサービスが出そうです。

ネットの自由と規制については、関心があったので質問をして発言もさせてもらいました。毎日新聞「ネット君臨」や日経新聞ネットと文明」のように、全国紙が相次いでネットの問題点について取り上げていますし(日経のほうがスコープが広く、バランスが良い感じ)、ネットは危険、犯罪の温床といった切り口の統計発表、ニュースも増えてきている気がします。

猪子さんの「(前置きを慎重にしつつ)健全な方向というか、健全な発展というか…」「ネットにエスタブリッシュメントは来ないで欲しい」というトークからは危機感が伝わりましたし、佐藤さんの「ネットの意見を代表するようなものがあれば」との意見も同意するところが多くありました。ネット業界は若くて、自由で、楽しいわけですが、日本を動かしている人たちとあまりに遠いし、その「力」を軽く見すぎているようにも思えます。

RTCの今回のテーマが「2.0終了の次」であったように、なんとなく「祭りの終わりが近いのでは」といったムードもあるわけで… その次について楽観的になりたい気持ちはあるのですが、どことなく不安でもあります。「2.0とか騒いでいたころが、ネットでつながって、自由に表現できて、楽しかったよね」とか振り返るのだとすれば…

杞憂であればいいのですが、規制されて初めてその大切さに気付くぐらいなら、ネットユーザー側から何らかの動きをするときなのかもしれません(自主規制ではなく自治といったところ。しかし、自治という言葉が胡散臭さいな…)。もし、危機意識を共有した方や関心を持った方が多くいらっしゃるなら、話し合ってみたいと思ったりするのですが、どうなんでしょう…