ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

「情報メディア白書2007」電通総研

情報メディア白書2007
新聞、テレビ、インターネットなど、さまざまなメディアのデータを解説つきで紹介している「情報メディア白書2007」が発売されたので早速購入。値段は高いのですが、メディアを横断的に紹介しており、ざっくりと業界動向を知るには最適です。

取り上げられているメディアは、新聞、出版、フリーペーパー、音楽、映画、アニメーション、ゲーム、ラジオ、テレビ、通信、インターネット、オンライン配信、広告、イベントと幅広くカバーしています。
帯は『人口減少社会到来、メディアの生きる道は?』(ちなみに昨年は『誰がメディア大融合時代を勝ち残るのか』)。「情報メディアにおける2007年問題」というタイトルで冒頭に特集も組まれています。

これがなかなか面白いので、一部を抜粋して紹介します。

世代とメディア感について

(団塊世代は)リテラシーの高い人のみがメディアのある生活を享受できた。
現在でもメディアリテラシーがわだいになったりするが、その意はコモディティ化した情報の渦中からいかに良貨を見極めるかということであり、団塊世代のメディアリテラシーは情報を享受すること自体が知的・経済的優位を持っていることを意味した。

新人類はオタク第一世代とほぼ同義語。新人類にとって知は決して死に物狂いで獲得するものではなく、戯れでしかない。

新人類ジュニアは、団塊世代がアカデミズムという権威に反旗を翻し全共闘運動を行ったように、旧来メディアという権威に対して静かな反乱をネット上で展開している。彼らの戦いは、旧来メディアの情報閉鎖性(知る権利の独占)に対する嫌悪感に起因するものであるとともに、団塊世代そのものに対する嫌悪感ー勝ち逃げ世代であり「マス」である世代に対する、負け確定であり「マイノリティ」である世代の怨恨ーが投影されたものである。

ちなみに団塊ジュニアについては、本文中には記述はないのですが、『アニメ、ゲーム、マンガを支えた世代。ニートの先駆け』らしいです…

ほかにも「実は無視できないショートヘッド」「マーケティング>テクノロジーの時代」「世帯に再び注目する」「今こそクリエイティビティを問う」など興味深い見出しもチラホラ。