ガ島通信

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アサヒコムにはてなブックマーク搭載

朝日新聞のニュースサイト「アサヒコム」にソーシャルブックマークの代表格・はてぶが搭載されました。これはインパクトが大きいです。ディープリンクの問題をどうしていくのか、そして「自前主義」からの脱却の動き、この2点が他の新聞社にもこれらが広がるかが注目されます。

日本の新聞業界は原則的に、いわゆるディープリンクを禁止しています。

参考・高木浩光@自宅の日記、同「リンクの話まとめ」

日本新聞協会は「ネットワーク上の著作権について」で著作権とリンクについて説明してますが

リンクや引用の場合も含め、インターネットやLANの上での利用を希望されるときは、まず、発信元の新聞・通信社に連絡、ご相談をしていただくよう、お願いします。

と、リンクする場合は、サイトを開設している新聞社に連絡するよう促しています。
このようなリンク問題は読売新聞が最も強行で

読売新聞社では、リンクはヨミウリ・オンラインのトップページおよび個別サイト(DAILY YOMIURI ONLINE大手小町、医療と介護など)のトップページにお願いしております。ただし、リンクされることによって編集意図が損ねられる恐れがあるサイト等の場合はご遠慮いただきますので、あらかじめご了承下さい。
 また、個別記事へのリンクは原則としてお断りしております。特別な理由がある場合は、その理由を付して読売新聞社の了承を得てください。

と明確に表記しています。今日リニューアルしたヤフーニュースの評価(レーティング機能)も読売の記事だけにはついていないことから、相当自社のコンテンツのコントロールに気を使っていることが伺えます。

毎日新聞も

「MSN毎日インタラクティブ」の著作権に関する見解は日本新聞協会の「ネットワーク上の著作権について」に準じています。

としています。

一方、朝日新聞は現状はリンク自由でした(どの時点で変更されたのかは不明です)。

ディープリンクは基本的に禁止と言うのが業界的な方向の中、リンク自由に加えてソーシャルブックマークを自社サイト内に搭載することは、ネットユーザーが想像する以上に大きい決断です。

はてなにとってもコンテンツの幅が広がると言う意味では良いことなのでしょう。まずは、サイエンスとデジタルだけからのスタートですが、ブックマーク設置範囲が広がればIT寄りだったはてぶの人気記事に変化が起きるのかもしれません。また、はてなは朝日新聞社と『様々な施策を検討していく予定です』とプレスリリースに書かれています。どんなコラボレーションが生まれるのか、今後が楽しみです。

主要新聞社サイトとはてなのページビュー数(Alexa、スパンは5年)

はてなのプレスリリースはこちら

はてな、朝日新聞社と提携「asahi.com」にはてなブックマーク連動機能搭載