ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

ブログ炎上とWOMMAの倫理規定「3つの正直」

PRIR (プリール) 2007年 01月号 [雑誌]
広報の専門誌「PRIR(プリール)1月号」に「女性大性ブログ炎上騒動に見るブログマーケティングのあり方」とのコラムを寄稿しました。NHKで「クチコミに注目広告戦略の舞台裏」として紹介された女子大生のブログが炎上した騒動について、問題点などを書いたものです。よろしければ書店でPRIRを手にとって見てください。その原稿のなかで、ひとつの基準としてアメリカの口コミ業界団体のWOMMA(Word Of Mouth Marketing Association)が作成したThe WOMMA Code of Ethicsを紹介しましたので、ブログにもアップしておきます。これは3原則の頭文字をとって正直ROIと呼ばれているようですが、ROI(投資収益率)という言葉が正直とどうも合わない気がするので、「3つの正直」としておきます。

口コミマーケティング業界のための「3つの正直」とは…
Honesty of Relationship: You say who you're speaking for
関係、誰を代弁するかを説明する
Honesty of Opinion: You say what you believe
意見、自分の信じていることを言う
Honesty of Identity: You never obscure your identity
アイデンティティ、自分の正体を偽らない

(英語が苦手なので直訳になってしまっていますが、適切な訳があれば教えてください)

女子大生のブログは、このROIに反していたのではないかといった主旨です。

WOMMAには、この正直ROIも含めた倫理規定である「Ethics」があり。正直ROIだけでなく、マーケターがブロガーとコンタクトを取る際に守るべき10の規定「WOMMA Ethical Blogger Contact Guidelines10 Principles for Ethical Contact by Marketers」なども定められています。口コミマーケティングに関心を持っている方は参考になるでしょう。

ただ、このWOMMAコード作成に関与したPR会社がヤラセブログを行って問題となる(「ウォルマートFlog事件」・日経BPnetの大柴さんの記事)といった問題も出ているようで、アメリカでも適切な口コミマーケティングの手法やその倫理については、試行錯誤といったところのようです。