ガ島通信

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単なる合宿で考えた、サラリーマンの「イノベーションのジレンマ」解決可能性

先日のイベント「単なる合宿1.0」は、実質1日半で新しいウェブサービスのアイデア出しブレスト、ユーザーターゲットや収益モデルのプレゼンテーション、開発の段取りまで進み、予想以上に充実した内容でした(参加者の皆さんの意識の高さや面白さが大きな要素となっています)。今回のような様々な企業や組織から目的を持って集まった人によるプロジェクトは、新しい仕事やビジネスのスタイルやサラリーマンの「イノベーションのジレンマ」解決の可能性を秘めているのではないかと思ったりしています。
そもそもこの合宿は、飲み会があった際に「文句ばかり言うだけでなく、何かアウトプットしよう」と話したのがきっかけで、行われました。私自身もそうなのですが、会社の組織や仕事の問題点を考え始めると、良くありがちなサラリーマンの生産性のない愚痴に陥りがちです。逆に、セミナーや勉強会に出席したり、交流会などに積極的に参加している人は、刺激を受けて自社の現状に焦ってしまったり、どうしようもないと諦めてしまったり、「社員に危機意識を持ってもらわねば」とか「仲間を広げよう」として空回りとか。

最近では、思い切って退職してベンチャー企業を立ち上げるという道を選ぶ人もいます。自分の力が生かせる組織を求めて転職する人もいるでしょう。しかし、ベンチャーはリスクが高いし(サラリーマンであっても右肩上がりの時代が終わり一概にリスクが低いとは言えない時代ではありますが)、「これからの時代を乗り越えるたえに雇用の流動化が必須」とビジネス本などに書かれていても、まだまだ日本の会社は終身雇用の制度が色濃く残り、雇用の流動化は難しいところがあります。

しかし、だからと言って何もしなければ組織に適応した進化をしてしまって、しがみつくしかなくなってしまいます(これが一番リスクが高い)。労働市場を意識しつつもサラリーマンとしてやっていく。このジレンマを解決したい人は多いのではないでしょうか。

今回のサービス開発は非常にベンチャー的な手法ですが、サラリーマンの方の作業は仕事が終わってからですし、ベンチャーの人(今回の合宿にはベンチャーの人も参加していました)にとっては、合宿で開発したサービスがうまくいけば、その運営やさらなる開発を請け負うことも可能ですのでチャンスもあります。開発のゴールはサービスの売却に設定していますので、インセンティブも働きます。何よりも、自分や社員の給料がかかっている、という状況ではないので開発をストップすることもできます(会社でやっていると新たな事業は、スタートさせるよりもやめるということが難しかったりする)。

失敗に終わったとしても、プロジェクトのプロセスやマネジメントを学ぶこともできますし、参加したことで刺激し合って知識が増したり、技術が向上したりするかもしれません(なんだか良いことばかりのようだなー ま、問題点も考えれば山のようにありますが…)。

合宿に参加したNOZAKIさんに

具体的にサイトイメージに落としていく間にもあれこれアイデアが出てきて、良いサイクルで作業が進みました。こういうペースで企画会議が出来ると生産性が上がるので良いですね。

と書いて頂いてますが、サービス開発だけでなく企画のアイデア出し、コンサルティングなどにも使えるのではないかと思っています(企業などからアイデア出しを請け負って、その都度ネットやメーリングリストでプロジェクトチームの結成を呼びかける。テーマによって興味のある人が参加するというのはどうでしょう)。

「次回はぜひ参加したい」というメールも早速頂いていますので、これからも何かやれればいいなと思っています。