ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

Newsweek誌が「ブログは新聞を殺すのか」特集

刺激的なタイトルの割にはあまり目新しい内容はありませんでした。アメリカと日本ではメディアの状況や地域社会、コミュニティのあり方も違うので、そのまま比較することはできませんし。特に、アメリカの新聞の主要な広告収入であり、ネットの影響を大きく受けているとされるクラシファイド(求人や個人売買)は、日本ではリクルート系雑誌やヤフーオークションが大きなシェアを持っています。フリーペーパーについても解説があり『一般紙は部数減を無料紙のせいにしているが、実際の影響はごくわずかだ』とのこと。その割には、紙新聞はネットの影響を大きく受けている、というお約束への疑いがないのは気になります。
以前から思っているのは「新聞の危機」というのは、ネットだけではなく(もちろんネットの影響もある)、消費者の意識や広告クライアント、社会構造の変化、景気変動のなど複合的な要因で起きているにもかかわらず、新聞社は「紙」の見直しや可能性へのチャレンジを放棄しているということ。昨年末ぐらいから日本の新聞各社は「ネット怖い」から「ネットをやらねば」に大きく舵を切っている様子ですが、どうなんでしょうかね。まだ「紙」でやることはたくさんあると思いますよ。

Newsweek誌の特集で興味がわいたのは、ウェブから新聞に転載して黒字化している地域メディアのこと。記事を書くのは市民記者で、ウェブ版への投稿から人気のあるものや優れたものが紙版(無料)に転載されるという。内容はスキャンダルはなく心温まる記事。これは日本でも取り組むメディアが出るかも知れません。

以前に「ブログキャスター」(編集部のブログはこちら)の関係者の方から意見を聞かれた際に、ブロガーがコラムを書くだけでは意味がない(読者にとっては別にコラムを書くのがブロガーだろうが、フリーライターだろうが変わらない)、ネットと紙媒体では見ている人が違うのでブログの記事を載せればいい(そのままは難しいかもしれないから書き直しもあり)、ブログ界で盛り上がっていることをサマリーやランキングで紹介してほしい、ブロガーへのインタビューやブロガー同士の座談会はどうだろう、R25のようにフリーペーパーは考えていないのですか、などと無責任な立場からいろろなアイデアを出したのですが、悪くはないのかも…

ネットは新聞を殺すのか-変貌するマスメディア

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