ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

AFP BB Newsが21世紀の報道?ちょっと違うような気が…

ブログに記事を引用できるニュースコミュニティサイト「AFP BB News」のベータ版が2月3日よりスタートしたそうです(BroadBandWatchに詳報あり)

さっそく登録してみたものの、ニュースと写真が「正規」に使える(アマチュアでは撮影できないスポーツや政治家の記者会見の写真が使えるのはよさそう)従来のブログサービスとどう違うのかよくわかりませんでした。
孫泰蔵エグゼクティブプロデューサーによると

「AFP BB Newsは一方的にニュースを伝えていくのではない」。「ニュースを受け取ったユーザー同士がActiblogや掲示板機能などを通じて意見を交換することが可能であり、新しい世論を作っていくことも可能になるのではないか」

いや、すでにいろいろなブロガーがトラックバックやコメント欄、はてなブックマークを使って、ニュースについて議論したり、意見交換したりしていると思うのですが… 写真もフリッカーがあるし… テクノラティのように話題(世論ともいえる)の指標となるサービスもあります。

孫氏は

「世界にも類を見ない先進的なニュースサービスであると認識している」と強調。「最近言われているWeb 2.0と呼ばれる要素も取り込みながら、まったく新しい形の21世紀の報道のあり方を模索していきたい」と抱負を語った。

そうです。

うーん。まったく新しい形ねー。Web2.0(という言葉を使うのもすでに嫌になりつつあるが)ですか… どうも今のところ、古いビジネススタイル、囲い込みに戻そうとするモデルにしか見えません。「ブログ論説委員」たるオフィシャルブロガーも、私が知らないだけなのでしょうが微妙ですし。

個人的には「発信」の機能や発想がないのが気になります。ニュースを受け取ってブログを書いたり、議論するコミュニケーションもあるでしょうが、ブログなどの登場によってニュース(現状はコラムか?)や写真を発信する時代になってきています。もちろん現状のレベルでは、たとえ評論やコラムであっても(ストレートニュースはもっと厳しい)、すぐに通信社が配信できるレベルのブロガーは少ないでしょうが、これからはどんどん増えてくるでしょう。それに対応しているのでしょうか?

もし対応していて、このサービスを利用しているブロガーが書いた記事やユーザーが撮影した写真がAFPから世界中に配信される、とすればすごいですね。さすがにこれだけ大掛かりに提携して『21世紀の報道』というぐらいですから、このまま終わるということはないでしょう。今後に注目です。