ガ島通信

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総選挙を振り返る 3

前原誠司民主党新代表=「ドンキホーテが本当になったみたいな…」by民主党仙谷由人氏(テキトーにテレビを見ていたので語尾不明瞭)。どう見れば彼がドンキホーテなのかよくわかりません。政界のドンキホーテといえば、小泉純一郎を置いて他はないでしょう。YKK(山崎拓加藤紘一、小泉)のうち、加藤氏はプリンスと言われ将来を嘱望され、山崎氏は若くから政治力を発揮していました。小泉氏は明らかにYKKの中でも変人、キワモノ扱いでした。それが、まさか総理大臣になってしまうとは… この下克上を成し遂げた、小泉ドンキホーテが現役でいるにもかかわらず、前原新代表をドンキに例える仙谷氏のセンスが寒い(それもテレビで得意げな表情に見えたのは気のせい、でしょうね…)。

21日には特別国会が召集されてしまうため、話題の中心がまた自民党、小泉氏に移ってしまう可能性があります。民主にとっては、代表選が最大の見せ場、話題づくりの場だったはず。それが、まるで昔の自民党総裁選挙を見るような内輪の調整とサプライズのなさはどうだろう。 新代表が決まった後、43歳の若さと鳩山氏の処遇が「サプライズ」だなんて、有権者はそう思っていないと思うのですが… 政治部のお手盛りサプライズが唯一の救い(本当のサプライズは政治部記者を出し抜くところから)で、結局のところ「求心力が不透明」「党内調整に課題」と相変わらずの政局報道どまり。勝ち目がないのに総裁選に出馬した小泉氏のような人は民主にはいないのでしょうか? 「あれ誰だ?」「変なやつが立候補した!」だけでも、十分に話題になるはずなのに。20人の推薦人を集めなければならないのもドラマを生まない原因でしょう。

前原新代表はテレビで「官公労との関係は見直さざるを得ない」と発言していましたが、消極的なイメージしか伝わりませんでした。自民(といっても旧田中派メイン)の集票マシンである特定郵便局長を切ってまで、改革を実行する本気度を示した小泉氏にはかなうわけがありません。「労組だけが労働者ではありません」とか「官公労との関係のどこに問題があるのですか?具体的に示してください」(開き直り)とか、切り返し方はいくらでもあるわけで… 代表選、テレビでの露出の仕方を見ても、民主が今回の衆院選の敗戦から本当に学んだのか、かなり怪しい。

それにしても、あの、眠そうなニコラスケイジみたいなのが甘いマスクなんですかね… まあいいや…

自民党を壊した男小泉政権1500日の真実