ガ島通信

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人権擁護法でメリットがあるのは誰?

正直、頭の悪い私には、依然として「人権擁護法」の問題点が十分に把握できていません。こういう問題は、枝葉の議論に陥ってしまい、法案の一部修正(たぶんそこはそんなに重要なところではない)というマイナーチェンジで終わってしまうことがあります。官僚用語や法律は非常に難しく、その問題点の分析はもっと頭の良い人にお任せするとして、私がいつも記事を書く場合に出発点にする「誰にメリットがあるか」を考えてみたいのです。

いくつかのブログをめぐりましたが、同和団体や北朝鮮の関連団体による利権温存(拡大)という指摘が多いように思います。西尾幹二氏の「人権擁護法という狂気の法案」など。確かにそうで、2226TRAXさん経由で知った、おふらいんver2さんの「自民党法務部会の報告」(出典は2chとのこと、こういうことも出来なくなる可能性が高い。原本を持っているマスコミがいるなら今すぐ報道してほしい!)での発言も、その危機感に満ちたものです。特に注目したのは広島選出議員の『差別はいけない。しかし、部落解放の問題は、広島ではひどかった。部落解放からのつるし上げで30人も自殺者が出た。同和の予算も莫大についていたが、黙って耐える期間が長かった』『今回の法案が通れば、また悪夢がやってくる』『マスコミも警察も部落から脅されつるし上げられたのだ。だから自殺者が出ても報道されなかった』(詳しくはリンク先をご覧ください)などの言葉です。広島で教員をしている友人も何人かいますが、同和問題では非常に苦労しています。何か言えばすぐに「差別」と指摘されるし、研修会などにも出席しなければならず、本来の教育に関する勉強や資料作りの時間がものすごく少なくなっているとのことです(最近は少しずつましになっているようですが…)。差別はいけませんが、差別隠れ蓑にして利権をむさぼる行為は許されません。

「現行法でなぜいけないのか?」と私も思います。このあたりは「札幌から ニュースの現場で考えること」で高田昌幸さんがおっしゃっていることと同じですが、それを最初の設定に置き換えると「現行法ではメリットがない(もしくは少ない)人たち、団体がいる」ということになるわけです。しかし、「どこかの団体によって動かされている自民の一部議員が法案成立に躍起になっている」とすることは、私にはイマイチ腑に落ちないのです。法務官僚にとって「火の粉は自分たちにも飛んでくる」わけです。地方行政などは相当食い込まれているし、国家公務員でキャリア様で法務官僚だから「食い込まれない」などという保証はないわけで… カシコイ官僚たちがそんなことに気づかないわけがない。

ヒントというのではないのですが、高田さんと小倉秀夫弁護士のコメント欄でのやりとりに『…そのたいそうな時間とエネルギーを割く余裕がない被差別者のために、国家がちょっと手を貸してやっただけで…』(小倉氏)というのがあります。キャリアや自治体の幹部クラスと話していると、ときどきこういう発言があります。つまり、賢い俺たちが弱いやつらを守ってやるのだ、と。程度の差はあれ、民衆は愚であると思っている。私はいつも「そこまで人は馬鹿じゃないですよ」と言うのですが… うう〜ん、例えキャリア様の差別されている人たちへの「温かいご慈悲」だとしても、やっぱり「弱い」。納得できません。誰か教えてください。キャリア様の真の目的は何なのか?