ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

「しがない記者日記」で起きたこと

また「記者」ブログが炎上しました。詳しい経緯は幻影随想「しがない記者日記騒動まとめ」をご覧ください。私は何度も言っているように、ブロガーがどんな方針でそのブログを運営するかは人それぞれで(逃亡も含めて)、そのブログへの感想・批判もそれぞれだと思っています。しかし、今回の一件がネット界における「マスゴミ批判」の火力を一層強めたことは確かでしょう。感想は「素晴らしき世界で起きたこと」とほぼ同じですが、少し思うことを書き加えます。

私は、黒影さんからのTB「能天気記者とレミングスの相似点について」やコメント欄への書き込みで事態を知り(TB&コメントありがとうございました)、チェックしていました。かなりのバッシング具合でしたが「ページはやめませんよ」と宣言してましたので、しばらく様子見するつもりでした。あまりの対応ぶりに書く気も起こらなかったというのもありますが、もしかしたらものすごく根性がある能天気サヨクで、ネットウヨクの巣だと分かっていて殴りこんだのかと思っていましたが(ネット的な言葉?で表現するなら「釣り」でしょうか)、目を離しているスキにあえなく逃亡。もう少し踏ん張るかと思っていましたが…

根性っていう言葉は嫌いですが、「いや〜 根性ないッス」。「平和主義」で「朝日支持派」(違うのかもしらんが…)でもいいじゃないですか、ブログは自分の思うことを書く場所です。バッシングになぜそんなに過敏に反応するのでしょう? きちんと議論できず、打たれ弱い、批判されれば皮肉を吐き捨てて逃亡。そして騒動は自分の責任ではなく、あくまでマナーのなっていないネチズンが悪いという「総括」(苦)。確かにコメントにはいろんなものがあります。応援もあれば批判もある、そのすべてに答えることは物理的に不可能な場合もあります(それが嫌ならコメント欄を閉じてTBだけにするという運営方法もある)。ブログは双方向です。間違いを指摘されたり、新しい考え方を示されて自分の考え方もどんどん変化していく。それが面白い(かなりのストレスも伴いますが)のです。既存メディアという護送船団の中に守られた記者は、このストレスに耐えられないのかもしれません。

私も「地雷かな」と思うようなエントリーを書いたときは結構寝つきが悪かったりします。何度もパソコンの電源をつけてブログをチェックしたり。しかし、時代は待ってくれません。護送船団の陣形は崩れようとしています。okuma氏は新しい海のことを勉強もせず、航海術も知らないのに粋がって飛び出して、冷たい海の底に沈んだのでしょう。私の船の下も冷たい海。自戒も込めて…

追記(2月8日) この騒動に切込隊長が関わっていたことを黒影さんのTBで知りました。恐るべし隊長… 隊長のエントリーによると、okuma氏→某新聞社→リスクコンサルタント→(隊長)と言う具合に相談が「逝った」らしい。社員の自業自得的騒動で会社がわざわざリスクコンサルに相談してくれるというもの驚きですが(いい会社だ…)、何より本人が言わなければ会社経由でコンサルに相談などしないはず。自分のブログが炎上したのを恥ずかしげもなく上司や管理職に相談したのでしょうか? 不思議。。。


実名を暴くことについての議論。私も対応が悪い、不誠実だから→実名暴き「祭」というのはどうかと思います。確かに「こんなこと言うのは誰だ?」「単純に誰が書いているか知りたい!」という好奇心は私にもあります。しかし、ネット上の匿名が砂上の楼閣だとすれば、暴いている人たちもいつかは実名や所属する会社、住所が暴かれるかもしれない。自分はネットの匿名性を最大限利用しつつ「文句を言うやつは許さん」というのは通じないと思うのですが、どうでしょうか?