ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

エビ様退場(してませんでした!!→そして退場)

エビ様ことNHK海老沢勝二会長が辞任しました。責任を取らないトップが多い中、遅すぎたかもしれませんが辞めたことは評価したいと思います。この辞任のタイミングがいいのか、悪いのか、NHKにとっていいのか、悪いのか、今のところ私には判断しかねます。ただ、ナベツネさんのときもそうですが、キャラが立った人が表舞台から消えるのは少し寂しい気もします。


久しぶりの各社の記事チェック。

毎日 クローズアップ2005(3面)で「海老沢王国の崩壊」と見出し。本当なのか?? 海老沢は会長を辞めても、海老沢が作り上げた体制や人事が継続するなら「王国」は崩壊しないのでは?。整理者がはしゃぎすぎたか? 歴代のNHK会長一覧は良かった。過去の会長に毎日、朝日出身者がいたというのも恥ずかしながらこの紙面で知りました。

読売 社説は論点を絞りきれず散漫な印象(木っ端新聞記者の私に言われたくもないでしょうが)。スキャナー(3面)で「消去法で内部昇格」の見出し。異例の技術畑出身会長になった内幕(というほどのものでもない)を紹介。総裁を決めるときの自民党内部の模様を書いた記事のような、上滑り感がポイントか? 社会面の「地位は奪い取るもの」の見出しが印象的。

産経 産経抄は、前段のブラックユーモアの導入が面白くて「おお、どんなオチが?」と思っていたら、なんだかイマイチオチてないのに、「さて」と強引な転換。番組改編も、ブラックユーモアで「切って」ほしかった、〜残念。3面では「エビ・ジョンイル」と本文中に使用。さすが。功罪の書き分けも分かりやすい。結構敏腕なエビ様の記者時代も政治とうまく結びつけていました。

日経 社説に光る一文が。「(朝日とNHKの対立について)報道機関が報道内容をめぐって裁判所という公権力の介入を自ら求めるのは望ましい姿ではない(略)私たちも常に自戒しなければならないと考える」。激しく同意。普段は当たり障りのない日経社説。今回は頑張ってます。総合面(3面)、外部招聘に日本放送労働組合が反対していることを書き「政官労経」の四者の思惑が一致、「妥協の新体制」とは、うまくまとめています。

共同? 橋本新会長の人物紹介(人、顔などのコーナー)。「中央省庁や民放各局に築いた豊富な人脈が強み」って。オイオイ! 民放はまあ許すとして、省庁に人脈があるのが強みって、NHKの政府ベッタリ路線を追認してどうするんでしょう? 記者とデスクの問題意識のなさを露呈。寒い…

朝日 「内部昇格に疑問」のトーンで、社説と総合面(3面)の記事を構成。それにしても、「OBを含めて広く人材を求め、改革を軌道に乗せる。そうした道を閉ざしてしまったのが残念でならない」って自爆ネタでしょうか? 朝日は不祥事で「広く人材を求めて社内改革の道筋をつけた」のでしょうか? 自分が出来ないことを申し訳なさのかけらもなく言い切ってしまう。相変わらずの辻元っぷり(*参考「共同ブログ騒動2」)。その足元が揺らいでいるってことになんで気づかないのでしょう?


NHK・朝日新聞問題については、新たな展開がありませんので、少しお休みしますが、どちらが正しいか、裁判所に判断してもらう。そんな朝日の態度に、私は非常に危機感を覚えます。ソースを秘匿しても、事実をあぶりだすことは出来るはずです。朝日は全力を尽くしているのでしょうか?まだまだ出来ることはたくさんあるはずなのに「お上」に結論をゆだねようとする。朝日のやっていることは、ジャーナリズムの自爆、自ら言論を狭めるような行為だと思います。ちなみに労組には何の動きもないようです。NHKのほうが労組が発言している分、「独裁体制」が緩やかなのかもしれません… 朝日の中では、今回の問題はどう議論されているのでしょうか、気になります。



追記(1月27日)エビ様顧問就任。やはり転んでもただでは起きない男。「死んだフリ」でした。上の「評価」は取り消しといたします。「今宵限り」じゃなく、「渋谷のお山が恋々と…」でした。「ジャーナリズムは人材」ってことらしいので、エビ様ジャーナリズム塾が開かれるなら、ぜひ参加したいと思います。そして「地位を奪い取る方法」を学びたいと思います(笑)。やっぱり参加資格はNHK政治部に限る…のかな〜〜 あ、毎日「誤報」です。海老沢王国崩壊してないんじゃないんですか??? エビ上皇に呼び方変えようかな…


追記(1月29日)往生際が悪かったエビ様もようやく退場。これにて一件落着、とはならないのがテレビドラマと違うところ。エビ様がいなくなっても、組織の体質はそう変わらないでしょう。「批判の声にお答えしました」などと、NHKが焼け太らないように注意して見ていかねばなりません。