ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

「マスゴミ批判」を検証する

普通のおばちゃんOLからルポライターを目指している(このフレーズがちょっと気に入ってしまった…)泉あいさんからトラックバックを頂いた。ブログ「GripBlog(私が見た真実)」で中越地震で起きた「マスゴミ批判」を検証しています。現地へ飛び、行政の担当者や被災者に話を聞いています。詳細はGripBlogでご覧ください。

 

まず第一印象として「やられた」と思いました。私も時間があれば新潟に入って調査しようと思っていましたが、ついついスキーなどの遊びにかまけてしまってました。マスゴミ問題は、マスコミ内部の問題なので、できれば私も含めたメディアに携わるものから検証したかった。いや、どうにか検証するすべを考えてみます。

 

読んでみた感想は「真正面からぶつかってるな〜」というもの。正直照れくさいというか、読んでいて微妙な感覚におそわれました。マスコミ各社にメールや電話でコンタクトを取るあたり、なまじ業界に染まっていないほうがいいのかもしれません。ただ、取材が甘い部分もあります。現地に入った記者からは、「非常識な取材で被災者を怒らせてしまい、結局避難所を追い出された」という話も聞いています。それに、私のブログの「取材の現場から」でも書いてあるように、新潟の人たちは優しいようです。すぐに、不平や不満を口に出してはくれないのかもしれません。もっと丹念に掘り下げる必要があるでしょう。
 

さらに、マスコミ側の話を東京で聞くというのはやや先を急ぎすぎています。まず、地元のテレビや新聞各社の支局で当時実際に取材した人に状況を聞く必要があります。東京では、社内の災害報道への取り組みというような話、つまり総論は聞けても、「マスゴミ批判」の生の話は分かりません。地元で取材した後、具体的な話を持って東京の本社に行くべきです。メディアは取材に慣れていません。テレビ朝日のような門前払いも予想の範囲内でしょう。これを単に「メディアの対応は間違っている」というのならルポとは言いません。場合によっては関係者への夜討ち朝駆けも必要です。

 

最後に泉さん、質問状のあいをぁぃって表示の関係でしょうか?あれはやめたほうがいいと思います。マスコミは自分が非常識なくせに、そういう妙な常識的なことにこだわるので… 取材意図に加え、簡単なプロフィール、ブログのURLも書いておけばいいでしょう。フリーの困難さを考え、腐った組織に身を置いているサラリーマン風情から言うのもなんですが、正直、誰だかわからない自称ルポライターやジャーナリストはたくさんいます。最初はたくさんの困難があると思いますが、実績を積み上げてもらいたいと思います。