ガ島通信

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関西には空港が多すぎる 2

関西には空港が多すぎると書いたら、反響が多かったので驚きました。
空港という社会基盤を取り上げたことにより、「地域エゴ」を語ることの難しさが自分自身にも改めて実感できました。しかし、いろんな方から意見をいただいても、あえて言おう、地域エゴはもうやめよう!と。神戸は即刻中止、伊丹は廃止すべきという考え方は変わりません。
あざらしサラダさんは、現実的な問題を述べていらっしゃいますが、その現実というものが曲者です。日本人はのどもと過ぎればの精神で、現実を追認してしまう傾向にありますが、この3空港が残ることにより、運営への支援と環境対策費が支払われ続けるのです。ストップできない構造が永遠に赤字が拡大し続ける日本の問題の大きな側面です。
神戸の人にとったら神戸空港が便利。和歌山の人にとったら南紀白浜が便利。四国の人にとったら橋が3つあるのが便利。そんなのは分かりきった話。それで、どこまでインフラを整備し続ければ気がすむのでしょう。「ちょっと便利」を求めて公共事業を拡大したツケが700兆円。その赤字誰が支払うのでしょうか? 政治家?官僚?まあ、彼らも支払うでしょう。結局は国民全体にしわ寄せが来るわけです。
つまり、このブログを書いている私と読んでいるアナタです。私はそんなカネは払いたくないのです。それだけ。その代表的な例として関西の空港事情をあげただけです。四国の橋も、東北や北陸の新幹線も、ほぼ同じ構造です。
まあ、無駄な公共工事がいらないという論点では多くの人が同じベクトルのようですから、次の論点「都市と地方」に行きます。

究極的に言えば、借金まみれに高齢化、少子化が進んでいるワガ国は国力全体が落ちているわけで… このままでは都市とか地方に関係なく衰退するでしょう。国に余裕がないにもかかわらず、地方の経済力に合わないインフラも作ってきました(但馬や南紀白浜空港はその例。神戸ですら空港は身の丈にあっていません)。しかし、過疎はあまり止まっているように思えません。地域は活性化したのでしょうか?都会のほうが便利でビジネスのチャンスも多い。結局は田舎から出て行ってしまうわけです。そんなことなら、なけなしの金(というか借金だけど)は選択・集中して使うべきです。国の官僚サマは神戸空港問題のときも「地域から要望があったから認可した」とどこかの新聞にコメントしていました。確かに神戸市民の動きは「要望」ととられても仕方ない。かくして、ワレワレの要望は、官僚サマや政治家、公共事業に巣くう業者の利益に吸収されつつ、ワレワレもちょっと便利が享受できるわけです。そして、後には借金の山が… 

もうそろそろ「これ以上便利にならなくていいや」と言ってみませんか。地方への公共工事というカンフル剤がなくなれば、OZさんがコメント欄で述べているように、人の地方から都市へ流動は一層加速するでしょう。廃村や棄村も起きる。注射(公共事業)の金がない→地方の力が低下→人口減→さらに金が減るという悪循環。
地方は切り捨てられるのでなく、住民自らが棄てることになるでしょう。もしかしたら、電気やガスの供給がストップする地域も出るかもしれません。確かに新幹線や高速道路があれば、今よりもっと便利になると思います。私の住む街には某コーヒーショップもセレクトショップもありませんし、コンビニにも車で行かなきゃなりませんが、おいしい食べ物ときれいな空気があります。私は、もうこれ以上望みません。それよりも年金どうにかしてほしい(笑)

少し取り留めのない感じになってきましたが、今のような借金大国を作ってしまったのはみんなの「もう少し便利だったら」という気持ち、小さなエゴ(年金もエゴだが…)の積み重ねではないか、ということです。この話をしておかないと「使ったほうがトク」な公務員を止めることはできませんので。