ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

何を楽しむのか!(怒ってました)

これがパワーブログのやることか。木村剛氏のブログに「これが新潟県中越地震の真実だ!」の記事。かねてから既存メディアに不信感を募らせている木村氏が現地でのマスコミの悪行を他のブログを引用することで紹介しています。このネタの真偽はネットde監視、地方議会さんの「小千谷市民の声?」が書いているように、私自身も少々疑問を持っています。もちろん、被災地のマスコミへの怒りは分かります(これは想像ですが、マナーもないし、配慮もない。マスコミは本当にひどい行動を取っているのだろうと私も思います)、ただし、元ネタをたどると2ちゃんねるなどのようです(パソコンに詳しくないので、誰か元ネタをたどってくれると助かります)し、引用にはもう少し慎重になってもいいと思います。


問題は、このステレオタイプのマスコミ批判の記事を「真実だ!」(真実というからには、裏は取っているはず…)とセンセーショナルに木村氏のブログのように影響力のあるところが取り上げたということです。それに、木村氏は『「週刊!木村剛」をマスゴミに対するブログ軍団の橋頭堡にしたいという仄かな野望を持っている』と語った上で『お楽しみください』と結んでいる。被災地で困っている人がいるのに、お楽しみとは何だ!!!(文章が感情的で言葉が悪いのはお許しを、本当に怒ってます)。被災している人はマスゴミ批判で楽しむ余裕はないはずです。


結局木村氏は、マスゴミ批判をブログ界に広めるため、「中越地震マスゴミ批判祭」を起こそうとしているようにしか見えません。私は、木村氏のようなブログにこそ、現地から情報を発信しているブログやクリック募金を紹介してもらいたかったと思います。とにかく残念でなりません。確かに私もマスコミはゴミと思わなくもありませんが、少しでもマシなゴミになりたい。


マスゴミの私にできること…。台風や地震を次の災害に生かすために、既存メディアとブログへの災害報道への意見募集をやっています。中越地震で被害にあわれた方は、まだまだ落ち着いていないと思います。これまで台風や水害、他の地震の経験者の方よければご協力ください。

追伸(10月31日) あざらしサラダさんから木村氏のブログの表現が「お読みください」に修正されたとのコメント。木村氏のブログには「尾花広報部長」から説明もアップされていますのでご一読ください。私自身も「お楽しみとはなんだ!!」が感情的過ぎたかなと反省しています。ただ、引用元の問題は今後の重要なテーマになるでしょう。「マスゴミ批判祭」では2ちゃん→ブログ→2ちゃん→ブログという感じで、ブログが信憑性を高め、かつ増幅器の役割を果たしているような気がしてなりません。私自身のブログによる「参加型ジャーナリズム」への期待が少し高すぎたのかもしれませんが、多くの方がTBしていただいたように、議論は冷静で落ち着いた方向に進んでいるようで、これが新たな「参加型ジャーナリズム」の契機になるのかなと、前向きに考えたりもしています。

追伸(11月1日)タイトルの(怒ってます)を(怒ってました)に変えました。「マスゴミ批判祭り」が、次は「木村ブログ批判祭り」と化しているようなので…。そのソースとして私の記事を引用するのはやめてほしいと思います。