ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

グーグルの衝撃

既存メディアに与えるグーグルニュースの衝撃については「ネットは新聞を殺すのか」ブログで湯川さんが何度も取り上げていますが、実はグーグルアドセンスのほうが影響が大きいのではないかと思っています。


既存メディアのホームページは、ほとんど工夫もなくニュースを流すだけですが、意外にトラフィックが多い(Alexaなどを参照)。グーグルアドは、クリック数に応じて広告主からHP等の開設者に代金が支払われる仕組みですが、クリック数を稼ぐためにはトラフィック数が絶対条件となってきます。現在グーグルニュースに検索されている新聞社(記事を出すことを許している)は、軒並みトラフィック数が増加しているようです。グーグルニュースに直リンクしてもらったほうが自社サイトのトラフィックが増え、グーグルアドからの収入が増える。そのうまみを知れば、各社がごぞってフロント面の上位に自社のサイトをトピックとして取り上げてもらおうと売り込みに走るかもしれません。ただし残念ながら、日本の現状ではアドセンスの売り上げは既存メディアの人件費をまかなうほどになっていませんし、そこに「うまみ」があることに気付いていません(書いちゃうとマズイですかね?)。


これまでのネット広告は、サラ金や風俗系広告が多く「いかがわしいもの」とのイメージが強くありましたが、グーグルアドは、記事との関連付けが非常にうまく、グーグルが検索エンジンで培った技術力が発揮されているように見受けられます。技術力が進むに連れて、ユーザーが知らない間に「紹介料」のようなものを取られている広告も構築されるかもしれません。

《関連ニュース》電通は『2月に「ネット広告市場は今後も年3―4割増の勢いが続く」想定し、来年は2000億円規模に拡大しそうだ』と予測しています。